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母 へ の 鎮 魂 歌: シアトルライフ 6

著者: 若林 茂
 
 
お わ り に
 

横浜の母のマンションにて、母と私 11/28/07
 

 生前の母は 80 歳を過ぎても朝日新聞や読売新聞の社説などにも目を通していました。難しい経済用語に遭遇するとよく私にも質問していました。それは母の住むマンションに 隣接する「横浜市滝頭地域ケアプラザ」に週 2 回通っていて、おしゃべりの話題について対応するためにも必要ということでした。

 そこでは介護保険指定介護事業者として日帰りでの入浴、食事の提供、機能訓練、健康チェック、送迎などのデイサービスを実施しています。

 朝の 9時半頃から午後の4時半頃まで、 10 数人のお仲間と一緒におしゃべり等をして過ごすのです。朝はミニバンのような車で職員が迎えに来てくれて、また帰りもちゃんと送ってくれます。

母は いわゆる<まだらボケ>で、朝に食事したメニューなどは、昼になると時として忘れてしまいがちでした。しかし、その逆に昔のことは実によく覚えており、 70 年以上も昔の女学生の頃の話は、何度も繰り返しました。

母は晩年、 「食べる事とおしゃべりする事のみが生きがい」と自ら発言するだけに 87 歳になっても、かなり食欲がありました。

59 歳で小食の私よりも、母はよく食べるのです。私は朝食、昼食、おやつ、夕食と1日4回の決めた時にしか、食物を口にしませんが、母はこの4回以外にも絶えず飴玉、お菓子、みかん、お茶などで口寂しさを紛らわしていました。そして、いつも「茂が日本に来ると全国の名産品を持参してくれるので嬉しいね」と、感謝の気持ちを必ず伝えてくれました。

 私との最後になった昨年 1 月 7 日の夕食の献立は、<品格の人>として我々が敬愛する群馬の星野精助翁から頂いたに「上州生うどん・氷温熟成」と<ポテト顔の兄貴>として私が最も信頼する友人・折笠廣司さんが送ってくれた「椿き家・まっかり豆腐」を私が用意しました。デザートは母が大好きだった和歌山の「氷温熟成干し柿」で、いつものように親子漫才のようなおしゃべりをしつつの愉しい食事でした。

 本当に美味しいものというのは、日頃食べ慣れたものでしょうから、母が大好きな生うどんとプリンのような豆腐を食べて、おしゃべりをした至福の夕食だったと思います。

 本書もいつものように 一次校正は、愛妻郁子が、二次校正は群馬県高崎市立中尾中学校の国語科教諭である読友・新井国彦さんが、入念に取り組んでくれました。

 新井国彦さんと妻郁子に、あらためてお礼を申し上げます。有難うございました。

和光市のマンションにて、2010年2月25日
 
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