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<短文の名人>である随筆家の金平大兄に感謝と敬愛の念を込めて |
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| お わ り に |
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星野精助翁は、群馬県を代表する優良企業である星野物産の経営に長らく携わってきました。現在も相談役として毎日出社し、新聞各紙をはじめとして、情報収集に余念がありません。
私は星野翁の著作を読んだ直後から、星野翁を<品格の人>と密かに命名していました。私が一時帰国するたびに、星野翁とは<心友>松崎靖氏や実娘である千明朋代(ちぎら・ともよ)さんらと会食しつつ、歓談する機会を得てきました。
その星野翁を交えて、「今春の若林先生の帰米前に宴席を設けましょう」と申し出てくださったのが、潟Cエローハットの創業者であり、<慈愛の人>である鍵山秀三郎氏でした。
しかも、それは鍵山氏が私を東京の「土山人」という石庭のあるモダンな蕎麦店に招いてくださった今年の1月16日でした。鍵山氏も私も麺類が大好きで、よく蕎麦店で会食をします。
「土山人」での会食直後にふと私が漏らした「ここの蕎麦も星野翁に食べさせてあげたいですねー」という呟きに、即座に鍵山氏が呼応されたのです。
それから間もなくして、鍵山氏は星野翁について『致知』という月刊誌の3月号の巻頭言で、<人間にも賞味期限がある>という題で、次のように記されたのです。
「・・・人間の場合は年齢ではなく、その人が他の人から信頼され、かつ社会に貢献しているかどうかが賞味期限の基準である。・・・お手本として仰ぐお方は、<上州手振りうどん>で有名な星野物産(株)相談役・星野精助氏です。融通無碍(ゆうずうむげ)という言葉は、この人のためにあるといっていいでしょう」
融通無碍とは「一定の考え方にとらわれることなく、どのような事態にも滞りなく対応できること」です。池波正太郎著『剣客商売』の主人公・秋山小兵衛が浮かび上がってきます。
そして、その融通無碍は、90代の<品格の人>星野翁にも、70代の<慈愛の人>鍵山氏にも、十分に感じ取れます。しかも、お二人とも身のこなしが、秋山小兵衛のように実に軽やかです。
そのような経緯から今春の3月13日に、東京・芝「とうふ屋うかい」での供宴になりました。その時は、<品格の人>も<慈愛の人>もたっぷりとお酒を召し上がりまして、実に楽しい宴席でもありました。
その数日後、<品格の人>星野翁から、丁重な礼状が届きました。その一部をここに紹介させていただきます。
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鍵山先生とゆっくりお食事をしながらお話をしたのは、初めてでした。・・・
10 年以上のお付き合いで、 初めてであり、今後このような事は、先の短い小生には無いと思います。改めて、貴台のお取り計らいに重ねて御礼申し上げる次第です。 |
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星野翁は、93歳になられても、このような礼状をきちんと認められるのです。まさに、知力・体力・気力がいずれも充実している稀に見る人物なのです。
また、一昨年の春に星野翁のご自宅を訪れた折、奥様のきぬさんもご一緒して、朋代さんの運転で赤城山神社を案内していただきました。その時にご馳走になったフランス料理も美味でした。
さらに、その時に奥様から頂いたミキモトの小ぶりのグラス・セットは、私の大好きな愛用品になりました。このグラスで、ビールを飲むと美味しさが一層増します。
一方、朋代さんは、家庭菜園を愛する人で、その菜園も見学させてもらいました。その折に収穫したばかりのキヌサヤを頂き、横浜の母宅で調理しました。
そのキヌサヤの瑞々しい甘さは、忘れがたいものがあります。しかも、朋代さんは慶応義塾大学の先輩であり、知的レベルの高い読書家ですので、<菜園>ならぬ<才媛>なのです。
このように、星野翁の奥様や朋代さんにも親切にして頂きました体験がありますので、星野翁を敬愛する気持ちが一層募っているのです。
星野翁との交誼を得てからは、私自身が素直に長生きしたいと思うようになりました。肉体的にも精神的にも頭脳的にも、健康で長生きすることが、まさに本当の長寿なのです。
星野翁のご長寿を願いつつ、一年の締めとして、近年は年末にお蕎麦を食べつつ盃を酌み交わしています。
一昨年は12月30日に東京の「赤坂・黒澤」で、星野翁、朋代さん、そして私の3人で年越し蕎麦を頂きました。この店は、私の弟夫婦に連れて来てもらった格式のある店構えです。
「赤坂・黒澤」は、映画監督・黒澤明ゆかりの蕎麦会席の店です。年末限定で蕎麦打ち名人の高橋邦弘氏がやって来て、予約客のみが名人の打ちたて蕎麦を試食することができます。
昨年は12月18日に東京駅・新丸ビル5階の「手打ち蕎麦・石月」で、やはり3人で少し早めの年越し蕎麦を頂きました。
私が探したこの店は、以前に鍵山秀三郎氏らと会食しました。味も雰囲気も、サービスも良かったのです。星野翁がこの店を希望したことから、半個室で蕎麦会席を堪能しました。
当日はよく吟味された冷酒を2本頂き、星野翁の心洗われる会話により、まさに<至福の時>でした。
本書にまとめた原稿のオリジナルは、シアトルの地元紙である『北米報知』に発表した<私の読書案内>です。それをさらに補足・加筆して私のホームページにアップしたものから選び、再構成したものです。
一次校正は、理化学研究所の図書館司書である妻の郁子が受け持ち、二次校正は、群馬県高崎市の中学国語科教諭である新井国彦氏が、いつものように担当して下さいました。
最終的な編修・校正は、広島在住の総合カウンセラーである小田泰弘氏の協力を得ました。小田氏は、中国新聞の元出版担当部長で、長いジャーナリスト経験から修得した専門知識を駆使してくださいました。校正・編修をして下さった方々に、あらためてお礼を申し上げます。
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| 東京・芝「とうふ屋うかい」で星野精助翁(左)と筆者 3/13/08 |
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同店で、左から鍵山秀三郎氏、星野精助翁、筆者 3/13/08 |
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| 「大間々三長老の長寿を祝う会」の星野精助翁 9/15/08 |
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月刊誌『致知』の創刊30周年記念パーティーにて、
左から星野精助翁、西村尚美さん、松崎靖氏 9/13/08 |
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| 2008年10月30日 若林 茂 |
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