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書名: 愛妻詩の残響<私の読書案内6>
著者: 若林 茂
 
 

<短文の名人>である随筆家の金平大兄に感謝と敬愛の念を込めて

 
お わ り に
 
   金平敬之助氏は、自他共に認める愛妻家で、著作にもその一端がよく披歴されています。その中でも<極上の愛妻詩>と思われるのが、次の「四角いりんご」という作品です。
 
四角いりんご
金平敬之助

私は妻と仲がよい。
家事も分担し合っている。
器用な方とうぬぼれているが、せっかちだ。
まるいりんごも四角くむく。
妻は決してケチをつけない。
「助かるわ」とだけ言う。

じゃがいもの皮も厚くむく。
大きさが三分の二ぐらいになってしまう。
でも、妻は「ありがとう、上手になったわ」
と喜んでくれる。
妻に喜ばれ、励まされて、
近ごろは四角いりんごもまるくなってきた。

 

   この詩は、『 続ことばのご馳走 』に収められています。この詩は、 <極上の愛妻詩>であると同時に、長く連れ添った愛妻に捧げる<生涯最高のラブレター>にもなっています。
   実際の生活で、本当に仲睦まじいご夫婦だからこそ、このような素敵な作品が創作されるのだと推察できます。
   お二人の和気藹々としたペアルックのお写真を見せてもらうたびに、我々夫婦もそうありたいと願っているのです。
   それで、我々夫婦も、今年のお正月に中国旅行を楽しんだ時には、広州のデパートで、お揃いのプル・セーターを購入して、桂林のリバークルーズに出掛けました。
   人生の年輪を重ねた夫婦がいたわり合いつつ、仲良く暮らす光景は、我々中年夫婦にとっても、美しい眺めに映ります。
   それは、「四角いりんご」の詩に象徴されるようなほのぼのとした生活に違いありません。
   私には、「四角いりんご」の詩の美しいハーモニーの余韻が、今でも残響として漂っています。それ故に、本書の表題を『愛妻詩の残響』と命名した次第です。
   本書にまとめた原稿のオリジナルは、シアトルの地元紙である『北米報知』に発表した<私の読書案内>です。それをさらに補充・改稿して、私のホームページ < http://www.waka-mail.com > にアップしたものから、選びぬき再構成しました。
   一次校正は、理化学研究所の図書館司書である妻の郁子が、二次校正は、群馬県高崎市の中学国語科教諭である新井国彦氏が、いつものように取り組んでくださいました。
   さらに、最終的な編集・校正は、広島在住の総合カウンセラーである小田泰弘氏に協力いただきました。小田氏は、中国新聞社の元出版担当部長で、長いジャーナリスト経験から習得した専門知識を駆使して、このプロジェクトを遂行くださいました。
   鉛筆書きで丁重に手を加えられた校正案を再検討しながら、私自身が再編集・修正をしたのです。それは、新しい編集ノウハウの習得の場でもあり、また知的苦闘の場でもありました。
   そういう長いプロセスを経て、ようやく本書の完成に辿り着いたのです。3人の方々は、私の執筆生活を支えてくださる三脚であり、今や校正面のみならず、<人生の同志>でもあります。
   特に、この夏休みには、新井さんファミリー4人が、シアトルの我が家に滞在して、更なる交流を深め得たのは、私には実に意義ある楽しい想い出になっています。

 

イタリア北部の可愛い港町ポルトフィーノで、
左からガイドさんと 金平夫妻 10/18/03
 

東京・池袋のメトロポリタン・ホテルで、
左から金平氏、若林郁子・茂夫婦  4/30/07
2007年9月5日   若林 茂
 
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