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書名: 本と人との出逢い <私の読書案内3>
著者: 若林 茂
 
 
盟友ハイブロー武蔵氏の50歳の誕生日を祝す
 
「カラー新版」あとがき
 
  『本と人との出逢い<私の読書案内3>』は、エッセイストとして活躍するハイブロー武蔵氏に捧げたもので、昨年5月1日に刊行されました。
  読書友達で高崎の中学校国語教師である新井国彦氏が、学校図書館の女性司書さんらとの食事会に、拙書『本と人との出逢い<私の読書案内3>』と『おばちゃんの知恵<私の読書案内4>』を持参してくれたようです。
  その時に女性司書さんらが、私の二冊の拙書を購入したい、ということで5部ずつ注文を受けてくれました。ところが、既に私の手元には、それらがなかったのです。
  購入して読んで貰えるのは、著者にとって一番有難いことですから、早速増刷することに決めました。<私の読書案内4>は、今年の5月に初めてカラー版にして発行しましたので、そのままの原版で印刷しました。
  ところが、<私の読書案内3>は、ごく普通の黒一色の印刷でしたので、今回思い切ってカラー新版に変更してみよう、と思いつきました。それから再編集に着手したのです。
  それは旧版では、「ハイブロー・武蔵」など点を入れた表記が正しいのだと思い込んでいたのが、正確には「ハイブロー武蔵」と点がないのだ、と気づいたからでもあります。そういう誤りも訂正したかったし、また誤りを気づきながらそのままにしておくのも失礼だ、と思えたからでもあります。
  武蔵氏は、1998年12月に『希望の星の光を見失うな!』を出版以来、30数冊の著作を次々に公刊しています。それらを大きく分類しますと、次のように5つのグループになります。
  第1グループ:『読書力』『読書通』『ハイブロー読書術』などの読書論に関する書物。
  第2グループ:『勉強人』『失敗力』『めんどうな人間関係で〔絶対〕つまずかない作戦』などの人間関係論的な書物。
  第3グループ:『ポチ・たまと読む 人を好きになる技術、人に好かれる技術』などの若者向けの自己啓発書。
  第4グループ:『フランクリン自伝』を翻訳した『人生を幸せへと導く13の習慣』などの外国の名著の新訳・解説本。
  第5グループ:福沢諭吉の『学問のすすめ』など、日本近代の名著の新訳・解説本。
  これら著作群を私は丹念に読み続けていますが、それらは著者が処女作で掲げた人生の成功のための3法則が、如実に反映されています。
  それは、@気概と熱意、Aネアカ・前向き、B思いやりと感謝です。そしてそれら著作群は、著者の<魂の成長記録>にもなっています。
  特に近年の仕事であるフランクリンと福沢諭吉の歴史的名著の新訳・解説は、価値観が混迷する現代日本社会にとって大きな社会的貢献を果たしているものと思われます。
  <独立自尊>という価値観の復権を促したことは、バブル経済以降低迷する日本社会の復興への一つの足がかりになります。
  福沢諭吉は、明治時代に官尊民卑の風潮を批判し、民の独立を力説しました。そういう系譜の一環でもある小泉改革は、「民間に出来ることは民間に」というスローガンを掲げました。
  そのシンボルが<郵政民営化>ということですが、今回の総選挙では、その改革案が圧倒的多数により支持されました。その結果が、小泉自民党の歴史的勝利ということでもありました。
  武蔵氏が、中学時代から読み始めたというフランクリンや福沢諭吉の著作を私も学生時代から何回も読み返し、人生観の糧としてきました。
  <独立自尊>とは、経済的独立の上に精神的独立が達成されてこそ、<独立自尊>が成就されるとした『学問のすすめ』に傾倒して、福沢諭吉が建学した慶応義塾大学に進学しました。
  卒業後は、そのまま大学に残り、研究と教育に勤しみましたが『学問のすすめ』は、今日まで幾度となく読みついで来ました。ですから福沢諭吉は、私にとって歴史上の恩師になります。
  そういう人物の名著を早稲田大学出身の武蔵氏が、新訳・解説し公刊したことは、私にとっては望外の喜びでもありました。
  人と人とが出会い、それが親友にまで進展するかどうかは、共有する価値観や読書歴が如何に大きな役割を占めているかを、武蔵氏との出会いと交流は、私に再確認させてくれました。
  私には真似が出来そうもない武蔵氏の美質は、「はじめに」も記述したように次の三つでした。
  第1に<諦めない生き方>。
  第2に<誠実で筆まめ>。
  第3に<大きな器量と心優しい気遣い>。
  それを記して既に1年半が経過しましたが、それらの美質にますます磨きがかかっている、と実感できます。
  例えば、当時200通余りのメール交換が現在では470通を超えています。アメリカ西海岸の太平洋時間で、月曜から木曜日まで毎日、週4回私は送信しています。
  武蔵さんは、その数時間後に必ず返信してきます。日本時間では、火曜から金曜の朝になります。実は武蔵さんは、機械音痴でタイプが苦手なので、スタッフの人が打ってくれるのです。
  私からのメールは、プリントアウトして目を通し、返信を原稿用紙に書いて、それをスタッフの人がタイプをしてくれるそうです。ですから、武蔵さんの<読解力としての受信能力>も<表現力としての発信能力>も、誰よりも迅速かつ的確です。
  私は一日の時間的余裕があって返信をするわけですが、武蔵さんは数時間後に返信するのですから、特別優れた受信と発信の資質を兼ね備えているのだと感心させられます。
  私のように一介の教師と違い、激烈な業界の経営者であり、同時に売れっ子の文筆家という二足の草鞋を履いている人ですから毎日が非常に忙しいに違いありません。
  そういう人が、私とのメール交流に時間と精神とさらに経済的コストをかけてくださっているのです。そういう切磋琢磨できる友人がいることは、私にとって人生の至宝です。
  いつものように理研の図書館司書の木村郁子さんと高崎市片岡中学国語科教諭の新井国彦氏が、本書の校正を集中的にしてくれました。誠に有難いことで、深謝です。
2005年11月9日 レドモンドの自宅にて 若林 茂
 
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