プロフィール お問い合せ お勧めリンク
ホーム 読書案内 旅行案内 映画案内 著作案内 シアトル・ライフ
 
 

戻る
書名: 本と人との出逢い <私の読書案内3>
著者: 若林 茂
 
 
盟友ハイブロー武蔵氏の50歳の誕生日を祝す
 
は じ め に
 
  人と人との出逢いは、単なる偶然かもしれませんが、時には<必然なる偶然>とでも呼べるような運命的な出逢いが、あるものです。
  近年、ビジネス・エッセイストとして次々に新刊を刊行しているハイブロー・武蔵氏との出逢いは、その<必然なる偶然>を感じさせるものでした。
  私の古くからのペンフレンドである九州福岡に住む詩人の中村和美さんが、「世界日報」の書評欄のコピーを送ってくれたのが、そもそもの出発点でした。
  それは武蔵氏の『読書力』『読書通』に関する書評でした。それをきっかけにして、新刊「ポチ・たまと読む自分を変えてくれる本とめぐり合う技術」を日本から取り寄せました。
  一読して著者の武蔵氏と私自身の人生観と読書観が、計らずも一致しているのに加えて、これまでの読書歴があまりにも似ているのに驚いたものでした。
  そこで推薦している本は、近代文学の夏目漱石、武者孝小路実篤から、司馬遼太郎、池波正太郎、藤沢周平の私が大好きな三大時代作家まで百冊余りでしたが、読書嗜好が実によく似ていました。
  その書評をアメリカ・シアトルで発行されている日本語新聞「北米報知」に連載している「私の読書案内」で取り上げさせてもらいました。
  「人が自分の人生を心豊かに、愉快に生きてゆく為、さらに良い人間関係を築き、自己実現をする為に、読書は最大なる武器である事を、本書は教えてくれています」
  このような結びで、その本を推奨したのでしたが、二人の共通認識の基本は<人生は人と本との出逢いで決まる>というものでした。
  私はこれまでアカデミズムという狭い世間で、書物ばかりを相手にしてきましたが、武蔵氏ほど質も量も拮抗している読書人に巡り合った事がありませんでした。
  しかも、その人が学者や作家でなく経営者であり、ライターである事が、新鮮な驚きでもありました。
  先日、八世松本幸四郎の娘さんで女優の松たか子さんが、テレビのインタビュー番組で、恋人について次のように語っていたのが印象に残りました。
  「自分が価値をおいている事に関して、この人にはもう絶対適わない。この人の行為は、私には真似出来ないというような何かを持っている人が、理想の恋人です」
 

ハイブロー武蔵氏
 
  これは何も恋人に限らず、友人関係でも、そのまま当てはまるものではないでしょうか。
  この視点に立って、私には真似の出来ない武蔵氏の素晴らしい美質を挙げてみます。
  第1に<諦めない生き方>。
  福岡の田舎から出てきて、早稲田の法学部を卒業後、司法試験を受験しましたが、幾度も失敗したという苦い挫折体験があります。
  しかし、一転して30過ぎから中小企業のサラリーマン生活を開始します。遅い出発点にも関わらず、勤勉なるガッツ精神を発揮して、トップまで上り詰めたのです。
  それは敗者復活戦が、極めて難しい日本の企業社会における具体的な成功例です。武蔵氏の生き方は、挫折体験を持つ多くの人々にとって、まさに<希望の星>なのです。
  多くの読者層の中でも、特に弁護士さん達が武蔵氏の処女作「希望の星の光を見失うな!」が、一番好きという理由は、彼の生きざまと無関係では決して無いと思います。
  「谷深ければ、山高し」の格言のような生き方を実際してきたのですが、<諦めない生き方>が武蔵氏のシンボル・マークだと、私は分析しています。
  第2に<誠実で筆まめ>。
  武蔵氏の著作について総合法令出版に直接メールで、私が問い合わせをした事から、メール交換が始まりましたが、それは2002年の初夏でした。
  これまで我々は2年余りで、200近いメール交換をしていますが、武蔵氏のメールは、迅速で的確です。しかも豊富な情報量には、いつも唸らされます。
  また新刊を出版する時には必ず寄贈してくれるのですが、それにはいつも自筆の手紙が添えられています。これには頭が下がります。彼ほど<誠実で筆まめな人>は、本当に稀です。
  第3に<大きな器量と心優しい気遣い>。
  入社した企業における直属上司の異常な人間性を他山の石として、読書と勉強を怠ることなく己を磨き続けたようです。
  東南アジアにおける海外勤務や新宿歌舞伎町におけるフィリピン・パブの経営など、書物では得られない経験学習を蓄積していったようです。
  その過程で、交流の幅がエリート知識人からヤクザまで、多士済々の人々と交わり、人間社会の裏表を熟知したようです。それにより人間の器量をより大きくしたのだと思います。
  さらに人情が細やかで情に厚いのです。先日も、私がインフルエンザで長く寝込んでいる時、赤坂の老舗「ふきぬき」の鰻レトロパックを送って下さいました。
  体力も気力も衰えている時に、食べなれた冷凍パックに比べその鰻は、この上なく美味に感じました。その鰻にもましてその心優しい気遣いが、精神の滋養になりました。
  このような貴重な交流体験が、私に武蔵氏に感謝と敬愛の念を呼び起こすのです。
2004年3月31日 レドモンドにて 若林 茂
 
  //Powered by Starforest Productions//